わが家で購読している読売新聞で、 妻と私が必ず目を通す、『人生案内』 という人生相談コーナーでは、 ご家族の介護負担の相談が時々見受けられます。
「自分の人生を両親の介護にささげてきて、恋愛も結婚もあきらめた」
「妻(夫)の介護でもう心もからだもギリギリ、いっそ一緒に逝こうかと・・・」
「義理の母(父)の介護を義理の姉(家族)が手伝ってくれない」
もちろん、愛に溢れた、あるいは金銭的に余裕のある『幸せな介護』もあると思いますが。 (その場合は人生相談しないでしょうから)
日本国政府も介護環境の充実を図っていますが、介護に従事するスタッフの給与水準が、看護師レベルに近づかなければ、 現場の人手不足などは解消されないでしょう。 私の勝手な推奨対策は2つです。
①重度の認知症や病気による苦痛を抱えている方に 尊厳死を法的に認める。
「認知症になった場合は尊厳死の選択を望んでいる」旨の公的文書の作成は必須だと思います。
重度の認知症(一家族では負担が大きすぎるレベル)はある意味「脳死」と(個人的に)思っています。
「家族が苦痛を感じていても、自分の抜け殻の介護をお願いしたいですか?」
②高齢者の医療保険の適応を限定し、その浮いた医療費で 介護環境(人&施設)を充実させる。
一緒に保育環境も充実させる。
医療費は健康寿命の70代中盤から急激に増大しているようです。
国もお薬の無用な多剤処方の改善に本腰を入れ始めたように、ある程度の血圧の上昇や、血液検査など各検査数値の悪化は加齢による自然現象でもあり、あとは生活習慣の改善以外、 (いろいろな意味で)有効な対策はありません。
骨折などの外傷や、循環器の病気で治療の効果が明らかな 場合以外は医療保険の適応は不要でしょう。むしろ、薬の副作用の影響が無くなり、元気に長生きできる可能性も あると思います。
一見「年寄いじめ」のような提案ですが、2つの対策をバランスよく取り入れると、
「一人暮らしで病気になって寝たきりになったらどうしよう?」
「介護が苦しくてもう一緒に死のうか…」
「介護で仕事も結婚もできそうにない…」
など様々な『不安』や『不満』が無くなり 結局、「老後の不安」や「少子化」まで 解決できそうに思います。
死刑判決などで「人間に人の命を奪う権利はない!」 という話も聞きますが、「人間に人が生きることを強要する権利もない」 と思っています。
あの有名なジブリ映画『もののけ姫』では、
「シシ神はいのちを与えもするが、奪いもする。そんなこともわからなくなったか!」
と声優は美輪明宏さんで一喝する場面がありましたね。
結局はバランスなのでしょうか?